入院日記  12月11日(金曜日)同意書

今日は午後3時40分から造影剤を入れたCT検査があります。

昼食まで食べてから、絶飲・絶食で

OKとのこと。助かります。

デザートに付いてきた、ライチ初めて食べました。

毎回デザート付きの病院食です。

最初は肉団子が揚げてあるのかと思いましたが、

よ~く見ると果物らしい。

食べてみるとビミョーな味

お向かいのベット84歳 女性B型で明るく楽天的でいつも笑顔で楽しい人

妙にウマが合ってよくお話する。

十数年前、埼玉に住んでいた時、

足に小さな血豆ができて病院へ行ったら、

糖尿病で即入院となり、右足切断と言われたそうです。

症状は血豆だけでよく納得しましたね・・・と聞くと

『私、素直だからね。

ほっといたら頭にくるか、目にきますって言われて

すぐ決心した』と言います。

彼女は当時、糖尿病という病気の存在すら知らなかったそうです。

『他の病院で確認しようとか・・・思いませんでしたか?』

『若い先生だったけど熱心によく説明してくれて

3か月入院している間義足になれないとか・・・

リハビリが辛いとか全然なかったよ』

ゆっくりした口調でにこやかにお話しされます。

強い女性です。

今回は健康な方の足の指の付け根に固まりができて

大事を取っての入院でした。

当初手術の方向でしたが、内科・外科の話合いで

切らなくて良い方向になったそうです。

今日午前中に退院です。

お気に入りの近所の幼稚園児に

又合えるとうれしそうです。

本当によかった(*^。^*)。

昼ご飯は『皿うどん』とメニューに書いてあったので

子供の頃長崎で暮らした真央は大喜びしたのですが、

トレーの上に乗っているのは、まさしく茹でたうどんと

あんかけ野菜スープ(のようなもの)

かけるというよりつけめんらしい。

サラウドン・・・かぁ?

初めての味・・・

入院すると変わったものが食べられます。

昼ご飯を食べてから絶飲・絶食(お水もです。)

お水が飲めないのは辛いです。

病院内はとても乾燥しているので

何度もうがいでのどを慰めました。

3時40分 予定どうり車いすでCTルームへ

一人でも歩けるんだけど・・・・

ベットのお化けのような機械に横になる。

点滴開始、造影剤注入のため通常より針が太いです。痛い!!!

腰から肋骨下部をベルトで固定されて

万歳の姿勢をとります。

何度か半円形のドームを通過して、『息を吸ってください。

息を吐いてください。リラックスしてください。』のナレーションが繰り返されます。

この後、造影剤注入です。

今日はキリン先生がやってくれました。

やはり見慣れた顔があると安心です。

造影剤が入ると体中の粘膜がカァーと熱くなります。

再度先ほどのドームを何回か通過して検査は終了です。

このCTって洗車機に似てる気がします。

あくまでイメージですが・・・。

夜、姉に扮した隣人とキリン先生の外来へ呼ばれた。

新しいCT画像を見せられたが、前回と変化なく、

破れた腫瘍は活発に出血し続けているので、

手術を早めましょうと言われました。

当初、12月24日予定でしたが、17日に決定。

手術の説明

どうやって切るのか?

お臍の上から左へ肋骨下部から廃部まで大きく切ります。

手術のあらゆる危険性

麻酔の種類

麻酔の危険性

輸血が必要なこと。

輸血の危険性

気の滅入る話ばかりですが、

キリン先生は話さねばならず、

こちらはイヤでも聞かなければなりません。

長い長い説明が終わって、病棟に着くと

1時間半以上経ってました。

キリン先生も遅くまで大変ですね。

ありがとうございました。

隣人にもアリガトウ・・・

入院して本当に回りの人に

生かされている事を痛感します。

夜、一人になって手術同意書にサインしていると、

元気なわが子を見捨てる薄情な親のような

悲しい気持ちになってきました。

まだ元気に動いているのに、

数値にも異常はなく、血尿が出ているわけない

何の損傷もない腎臓を取ることを承諾する。

腎血管脂肪種という腫瘍が名前のとおり血管で腎臓を取り巻き

腫瘍の摘出の時、デリケートな臓器の腎臓がもたないこと・・・

理屈では理解してるけど腎臓がかわいそう・・・

もしもこの先、右の腎臓に同じ事が起こった時、

私の命は終ります。

ずっと不安を抱えて生きていくの?

そんな人は大勢いますよ

キリン先生は言うけど

そうじゃない・・・健康な大勢のひとりでいたい。

夜、闇の中で何度も腎臓にあやまりました。

守ってあげられなくて・・・ごめん。