鍼灸はどうして効くのか?

鍼灸はその人が本来持っている自然治癒力を引き出すお手伝いをしていきます。
鍼灸が治すわけではなく、患者さんと寄り添って一緒に向き合っていくという考えです。
鍼灸施術は身体に熱や鍼刺激を与えることにより、病気を予防、改善します。
鍼や灸で身体を刺激すると、中枢神経の中にモルヒネのような役割を持ったホルモン(内因性オピオイド)が放出され痛みを脳に伝える神経経路をブロックします。これにより腰痛、膝痛などの痛みを和らげます。
筋肉の緊張を緩め、施術した箇所の周辺の毛細血管を拡張して、新陣代謝を高める効果もあります。その結果、たまっていた疲労物質が流されて、固まっていたあちこちの筋肉が柔らかくなっていきます。鍼灸で体表に刺激すると、内臓にも影響を与え機能が回復する効果があります。
自律神経系のバランスを整える効果もあります。その人が持っている力を引き出し、免疫力を高めて症状を改善していく治療方法です。

NIH(米国 国立衛生研究所)の見解として鍼灸療法の各種の病気に対する効果とその科学的根拠、西洋医学の代替治療として効果について有効であると発表しました。
WHO(世界保健機構)で鍼灸療法の適応性を認めた病気には下記のものがあります。

  • 神経系疾患:神経痛・神経麻痺・痙攣・脳卒中後遺症・自律神経失調症・頭痛・めまい・不眠・神経症・ノイローゼ・ヒステリー
  • 運動器系疾患:関節炎・リュウマチ・頸肩腕症候群・頚椎捻挫後遺症・五十肩・腱鞘炎・腰痛・外傷の後遺症(骨折・打撲・ムチ打ち・捻挫)
  • 循環器系疾患:心臓神経症・動脈硬化症・高血圧低血圧症・動機・息切れ
  • 呼吸器系疾患:気管支炎・喘息・風邪及び予防
  • 消化器系疾患:胃腸病(胃炎・消化不良・胃下垂・胃酸過多・下痢・便秘)胆のう炎・肝機能障害・肝炎・胃十二指腸潰瘍・痔
  • 代謝内分泌系疾患:バセドウ病・糖尿病・通風・脚気・貧血
  • 生殖、泌尿器系疾患:膀胱炎・尿道炎・性機能障害・尿閉・腎炎・前立腺肥大・陰萎
  • 婦人科系疾患:更年期障害・乳腺炎・白帯下・生理痛・月経不順・冷え性・血の道・不妊
  • 耳鼻咽喉科系疾患:中耳炎・耳鳴り・難聴・メニエル病・鼻炎・蓄膿・咽喉頭炎・へんとう炎

以上のように鍼灸施術の適応症はとても広範囲に亘ります。